古典読解問題3
次の文を読んで問いに答えよ
ある時、鷲かたつぶりを食らはばやと思ひけれど、いかんともせん事を知らず、 思ひわづらふ所に、烏かたはらより進み出でて申しけるは、「このかたつぶりを ほろぼさん事、いとやすき事にて( ① )侍れ。我申すべきやうにし給ひて後、我に その半分をあたへ給はば、教へ奉らん」といふ。鷲AうけがうてそのBゆゑを問ふ に、烏申しけるは、かのかたつぶりを摑みあがり、高き所よりおとし給はば、 その殻たちまちに砕けなんといふ。案のごとくし侍りければ、たやすく取つ てこれを食ふ。 そのごとく、たとひ②権門高家の人なりとも、わが心をほしいままにせず、③智者 の教へに従ふべし。そのゆゑは、鷲と烏をくらべんに、その徳などかはまさるべ きなれども、かたつぶりのしわざにおいては、烏もつともこれを得たる。事にふ れて事ごとに人に問ふべし。 (注) かたつぶりを食らはばや…かたつむりを食べたいものだ。 権門高家の人…権威があり身分の高い人物。 一 傍線部のAうけがう、Bゆゑをそれぞれ現代仮名遣いにしてひらがなでかけ。 二 本文中の( ① )にはいる助詞を答えよ。 三 本文中で「 」が省略してある会話がある。その会話の最初と最後の三文字を抜き出せ。 四 ②権門高家の人、 ③ 智者はそれぞれ本文中でどの動物にたとえられているか答えよ。